人事担当者や経営者が「いい人がいれば、いくらでも採用するのに」と嘆く声は頻繁に聞こえてくる。そのくらい、磨けば光るプロフェッショナルの原石が足りていない。
問題なのは学生の質のほうであって、企業の採用数の問題ではないのである』2008年6月23日付)という記事によれば、企業の学生に対する最大の不満は「コミュニケーション能力不足」「自己理解不足」であるという。 ぜひ採用したい学生と採用したくない学生との差が広がり、学生の二極分化現象が拡大しているとも伝えている。
学生の側から見るとどうだろうか。 日本経済新聞社とNTTレゾナントが2009年四月、2010年3月卒業予定の大学生を対象に実施した就職状況に関する調査によると、回答した450人の学生のうち、事実上の内定となる「内々定」を得た学生は18.7%に留まる。しかし、そのうち複数の企業から内々定をもらった学生が42.9%もいる。
主要企業が採用基準をあげる厳選採用の方針を強めたために、一部の学生に内々定が集中する傾向がますます強まっていることがわかる。 450人のうち、三社以上の企業から内定を獲得した学生は16人(3.6%)で、二社から内定を得た学生が20人(4.4%)いる。

複数の会社から内定が出ることは、企業が言うところの「いい人材」である可能性が高いと見ていいだろうから、「いい人材の出現率5%説」は、おおむねデータ的にも実証されている結果になっている。このように企業が求める人材スペックが高くなってきているため、95%の学生は内定がなかなか出ない状況になっている。 「50社の選考を受けたけれど、1社も内定をもらえない」というような悩みを持っている学生が少なからず存在している。
「昔は、受験参考書の種類も少なく、予備校や塾などのシステムも今ほど精度が高くなかったから、受験生は自分で入試問題の傾向を調べ、自ら学習計画を立て、セルフマネジメント東大生も三分の二が就職で悩む東京大学が行った「学生生活実態調査」(2007年)によると、進学や就職など将来に悩む東大生が急激に増えている。 就職問題に悩む東大生の比率は66.3%で、前回の同調査(2002年)より5.8ポイントも増えた。その中には「自分は将来何をしたいのか」と悩んでいる人もいるが、内定獲得そのものに苦労している学生も多い。
受験生の誰もが憧れる、選ばれた存在であるはずの東大生が、なぜ就職活動で苦労しているのだろうか。そのナゾを解くカギは「東大に入るための仕組み」が近年、大きく変化したことにある。

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